「親しき仲にも冷却あり」
森瑶子さんの「親しき仲にも冷却あり」
「親しき仲にも礼儀あり」をお洒落でドライにもじったタイトルは
小説?
恋愛エッセイ?
なんて思ってしまいますが
なんとなんと、英会話についての本です
初版が1993年
私がニューヨークに行ったのが1999年なので、そのさらに6年も前
今から26年も前の本です
私もニューヨークに行く前に買っています
さてこの本
英会話の本ではあるのですが
会話のフレーズを紹介しているというよりは
”海外に出て恥ずかしくない国際感覚”について書かれています
この本に書いてあることをきちんと身につければ
英語が下手だったとしても
「きちんとした、知性のある大人」として
海外で受け入れてもらえる最初の一歩となるのではないでしょうか?
第1章が「プリーズ」の使い方
第2章が「サンキューを連発しよう」
第3章が「エクスキューズ・ミーを使い分ける」
英語が全く話せない人でもこの3つの言葉くらいは知っているでしょう
でも、英会話上級者でもこの3つを素敵に、お洒落に、礼儀正しく
あるときは心を込めて、あるときは笑いのために、あるときは真剣にと
使いこなせる人はなかなか居ないかもしれません
森瑤子さんは本の中でこの3つの言葉を
「英会話の最初にマスターすべき3点セット」とおっしゃっています
私も激しく同感!
そして第5章では聞き上手になるための相槌の打ち方や、第7章では海外での振る舞いの「タブーについて」が書かれていて
会話のフレーズをたくさん詰め込むよりもググッと
「カタコト英語の、国際感覚のない、失礼で恥ずかしい日本人」から
「英語はあまり上手くないけど、感じの良い、素敵な日本人」へと
読者を引き上げてくれる内容になっています
英会話上級者も一読の価値ありだと思いますよ
そしてまた、都会的でドライな、大人の恋愛を描いていた作家さんらしく、例文は映画のセリフのようです
実際(あー、あの映画でこの言い方、してたな)というのもありました
残念ながら、今は古本でしか手に入らないようですが
こんなに素敵な、貴重な本、電子書籍ででも再販すれば良いのに!!
しかし26年も前にこれだけの内容をお書きになるなんて
森瑤子さんって本当に時代のいくつもの先を行く方だったんですね
R.I.P.
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